一般的には、空気が乾いていて、頭皮が乾燥しやすい冬のほうがフケが出やすくなります。しかし近年は、さまざまな理由で夏場にもフケが発生しやすくなりました
この記事では、夏場に出るフケの原因と種類をご紹介、対処方法をお伝えします。
脂性フケ(べたべたタイプ)
フケとは、古い角質がはがれたもの。頭皮のターンオーバーが正常に機能しなくなると、目に見えるような大きさのフケが目立つことになります。
夏場に多いベタつくフケは、皮脂や汗が原因
湿ってベトベトしていて、髪に絡まりやすいタイプのフケを、脂性フケと呼びます。
夏場は大量に汗をかくので、新陳代謝が早まります。すると、頭皮のターンオーバーも早まり、皮脂がたまりやすくなります。
頭皮には、マラセチア菌という常在菌が存在しています。皮脂がたまると、皮脂を栄養素とするマラセチア菌も増殖します。こうなると、洗髪などで取り切れなかった皮脂が酸化し、ほこりや汗を吸着、古い角質と混ざり合ってべとべとしたフケとなるのです。
特に、仕事でヘルメットや帽子を被る人、脂っこいものをたくさん食べる人は、脂性フケが出やすくなります。
洗浄力の強すぎないシャンプーを使うべし!
とはいえ、この皮脂、落としすぎてもダメなんです。皮脂には、細菌やウィルスの侵入を防ぎ、頭皮を乾燥から守る役割があります。
ところが、市販されているシャンプーの多くは洗浄成分が強すぎるため、必要な皮脂まで洗い落としてしまいます。特に、石油由来の合成界面活性剤は洗浄力が強すぎるため、お肌のバリア機能を傷つけるる可能性があります。
脂性フケで悩まされているかたは、頭皮のバリア機能が弱まっている状態です。特に、以下の成分は毒性が強いので、注意が必要です。
・ラウリル硫酸トリエタノールアミン
・ラウレス硫酸ナトリウム
・塩化ステアリトリメチルアンモニウム
・セチル硫酸ナトリウム
・ ポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテル
高級アルコール系、石けん系、石油系のシャンプーには、強い洗浄成分が使われています。皮脂を取りすぎて乾燥を招いてしまいます。
タンパク質系、アミノ酸系、オーガニック系シャンプーが、肌への刺激が少ないのでオススメです。
乾性フケ(パラパラタイプ)
パラパラとしていて、細かいフケを乾性フケと呼びます。
さらさらフケの原因は、頭皮や空気の乾燥
皮脂が不足して頭皮が乾燥していると、免疫力が弱まります。すると、ターンオーバーが早まって、まだ成長しきれていない角質がパラパラとはがれ落ちます。これが、乾性フケです。
空気が乾燥していると頭皮も乾燥しやすく、本来は冬に発生しやすいフケです。しかし、近年はエアコンの利用により、夏場でも室内が乾燥しやすくなっています。
ご家庭でエアコンを使用する際は、湿ったタオルを置くなどして、頭皮を乾燥から守りましょう。
日焼けによる乾燥にも注意
お顔のUVケアをしている人は多いでしょうが、髪や頭皮にまで気を遣っている人は少ないでしょう。
紫外線を浴びすぎて頭皮の細胞がダメージを受けると、ターンオーバーが早まります。日焼け=火傷ですので、新しい皮膚細胞を生み出し、外側の古い角質をはがそうとするのです。このはがれ落ちた角質こそ、パラパラフケの正体です。
また、紫外線の浴びすぎは、頭皮の真皮にあるコラーゲンにもダメージを与えます。発毛にも影響を与え、薄毛の原因となりかねません。
6月~8月は、1年のなかでも紫外線の多い季節。帽子を被るなどして、なるべく頭皮に紫外線を当てないようにしましょう。
乾性フケには、ホホバオイルが有効
ホホバオイルという、植物由来のオイルがあります。人間の皮脂に似た成分で、高い浸透力と保湿力があります。
このホホバオイルを使うことで、洗髪時の皮脂を取りすぎを防いでくれます。使用方法は・・・
① くしで髪の毛の汚れをサッと落とす。
② ホホバオイルを頭皮に塗りこむ
(爪は立てずに、指のはらで頭皮全体をマッサージするように)
③ 5分ほど放置
④ いつものようにシャンプーする
⑤ すすぎはしっかり
まとめ
最近は、夏でもエアコンが効いている環境がふえてきました。このため夏は、汗や皮脂による脂性フケと乾燥による乾性フケが、どちらも発生しやすくなっています。
頭皮の状態、フケの種類を見極めたうえで、正しいヘアケアを心がけましょう。