食塩の摂り過ぎると血圧が高くなり、血管や心臓に負担がかかることになります。40代、50代になってくると、塩分の摂りすぎが気になってきます。でも、大好きなラーメンも食べたい。塩分摂取量を気にする人が食べても大丈夫なラーメンがあるのか? 通販でまとめ買いできるのか?
のぞましい塩分摂取量とともにまとめました。
1日の理想的な塩分摂取量はどのくらい?
厚生労働省が2017年に発表した「国民健康・栄養調査の報告」によると、日本人の1日の平均塩分摂取量は、男性10,8g、女性9.1gです。それでは、1日の望ましい摂取量はどれぐらいでしょうか?
同じく厚生労働省が2020年に発表した「日本人の食事摂取基準」によれば、男性7.5g未満、女性6.5g未満が理想とのことです。また、日本高血圧学会のガイドラインによれば、高血圧患者さんの目標数値は6g未満だそうです。
とはいえ、ラーメンが大好き! たまにはラーメンを食べたい。そんな人もいるはずです。では、カップラーメンやインスタントラーメンにはどれぐらい塩分が入っているのでしょうか?
たとえば、日清の「カップヌードル」の1食(78g)には、麺・かやく2.4g、スープ2.5gの塩分が含まれています。トータル4.9gになりますね。マルちゃん「赤いきつねうどん」(96g)には、麺・かやく・スープ合わせて6.6gの食塩が入っています。まして、「1.5倍」のような大盛りのカップ麺を食べたら、それだけで1日の目安の摂取量に越えてしまいます。味噌汁1杯の塩分量が約1.2gですので、カップ麺の塩分がいかに多いかわかります。
通販で購入できる減塩ラーメン
「日本人の食事摂取基準」に合わせた1日の塩分量の目安は、男性7.5g未満、女性6.5g未満でした。ということは、1食あたりの塩分量を2g以下におさえれば、目標をクリアできます。この基準を満たすカップラーメンと口コミを集めてみました。
エースコック「だしの旨みで減塩 中華そば」
日本で初めて機能性表示食品となったカップ麺シリーズ。鶏だしをしっかり利かせ、塩分を40%カットした液体の醤油スープです。血圧を下げる作用があり、リラックス効果もあるアミノ酸の一種、GABA(ギャバ)が配合されています。このシリーズには、他にも「鶏炊きうどん」(食塩1.5g)、「小海老天そば」(食塩1.6g)があります。
1食 | 43g |
食塩トータル | 1.6g |
うち(めん・かやく/スープ) | 0.4g/1.2g |
容量は1食あたり43~43gなので、日清の「カップヌードル」の半分ちょっとのミニサイズとなります。
- 減塩の商品ですが、味は割と濃いめのしょうゆ味です。
- お昼の弁当用に買いましたが、もっと多いほうが良かったかもしれません。
- 麺そのものは細麺ですが、コシはしっかりしています。スープを飲み干しても食塩1.5gはありがたい。
マルちゃん「ホットヌードル NEO 醤油」
マルちゃんのホットヌードルシリーズには2016年3月より、通常版より30%塩分をカットした「ホットヌードル 塩分オフ 旨みしょうゆ味」「塩分オフ 旨みしお味」が販売されていたのですが・・・どこの通販を調べても、販売終了となっています。
2020年9月現在、販売元の東洋水産の商品ラインナップからは消えています。製造を終了したのでしょう。
では、オーソドックスな「ホットヌードル NEO 醤油」味の塩分量はどれほどでしょうか?
1食 | 69g |
食塩トータル | 4.1g |
うち(めん・かやく/スープ) | 1.8g/2.3g |
日清のカップヌードル4.9gよりやや少ないものの、1食の塩分量として考えたとき減塩食には向かないかもしれません。
- カップラーメンにありがちな、どぎついしょっぱさがないのが良い。
- 若干野菜が固いのが気になりますが、あっさりして食べやすい。
- ホタテやタコ、カニが風味を引き立てている。
ちなみに、2020年9月に新発売されている「マルちゃん QTTA 醤油ラーメン」という新商品があります。
ラードの風味と白コショウ・黒コショウの効いた王道の醤油ラーメンですが・・・塩分量はトータル4.3g。やはり減塩食には不向きでしょう。
イトメン「無塩製麺 チャンポン麺 5食入り」
今度はカップラーメンでなく、インスタントラーメンで調べてみます。チャンポンや魚介だしのラーメンに定評のあるメーカー、イトメン。このメーカーも、2017年ごろには「麺マルシェ 減塩ラーメン」という30%塩分カットした商品を販売していました。しかし、現在は取り扱っていないようです。
楽天市場で販売していた「無塩製麺 チャンポン麺 5食入り」の塩分量を調べてみます。
1食 | 100g |
食塩トータル | 4.8g |
うち(めん・かやく/スープ) | 1.2g/3.6g |
- 癖が少なく、あっさりしていて万人受けする味。
- 関西圏では定番の味。味付けを工夫すれば、旨さが引き立つ。
- 穏やかな塩味は、優しい感じ。
日清のカップヌードルと同じ容量に換算すると、20%ちかく塩分が少ないことになります。そうはいっても1食で4.8gの摂取量は、決して少なくはありません。“スープを我慢する”など、工夫は必要となりそうです。
どうやら2016~2017年ごろに減塩ブームがあり、即席めんメーカーは「30%塩分カット」や「塩分オフ」のような製品を発売したものの、ブームが去った現在では製造を止めてしまったようです。
調味料を減塩するという発想
ご紹介してきたように、「お腹いっぱいラーメンを食べて、スープまで味わう」かつ「減塩」を両立させるのは難しいことがわかります。がっつりラーメンを食べることは、少なく見積もっても2食分の食塩を摂取することになってしまうからです。
そこで有効となるのが、醤油、ケチャップ、ソース、ポン酢など、ふだん使う調味料を減塩してみる、という方法です。たとえば、醤油おおさじ1杯の塩分量は、濃い口で約2.6g、うす口で約2.9gです。1回に使う量が少ないとはいえ、チリも積もれば山となります。この醤油の塩分量が50%オフにったら、どうでしょう?
これなら、1か月に1回とか2週に1回とか、たま~にラーメンを食べても、トータルの塩分摂取量をおさえることができます。

実は、加齢とともに、味を感じるセンサーである味蕾(みらい)の数も減ってゆきます。つまり、年を取るにつれ、甘い。しょっぱい、酸っぱい、辛い、と感じる力が弱くなるのです。いうならば、濃い味を好むようになってしまうのです。そのため、普段から薄味になれさせてゆくことが必要になってきます。
「無縁ドットコム」では、塩分50%オフの醤油やソースを始め、食塩不使用のケチャップ、無塩みそ、塩分ゼロの梅干しなどを取り扱っています。日本の食卓には、梅干しや漬け物、味噌汁など塩分の高いものが並びがちです。たまに食べるものより、毎日食べるものから塩分をカットしたほうが効果的です。
最初は味がうすく感じるかもしれませんが、調味料で薄味に舌を慣れさせると、あんなに美味しかったラーメンが塩辛く感じてくるものです。動脈硬化、腎臓病、胃がん・・・塩分の摂りすぎは、血管の病気のリスクを高めてしまいます。
調味料からの減塩生活、始めてみませんか?