コーラやサイダーなどの炭酸飲料やビールを飲むと、げっぷが出ることがあります。なぜでしょうか?
げっぷが出るメカニズムは?
私たちは呼吸をしています。 息として吸いこんだ空気は、肺に運ばれます。
実は、ご飯を食べたりジュースを飲んだりするときも、わたし達は飲食物といっしょに空気を吸いこみんでいます。このとき、食べ物といっしょに入った空気は、まずは胃に運ばれます。
食道と胃のあいだには、噴門(ふんもん)と呼ばれる通り道があります。噴門は、外部より圧力が低い「陰圧」(いんあつ)という状態になっており、胃の内容物が食道に逆流するのを防いでいます。
しかし、胃の中に空気がたまってくると、胃の内部の圧力が上昇します。すると、空気が外に出ようとする圧力に負けて噴門が開き、空気は口から出てきます。このように、口 ⇦ 食堂 ⇦ 胃 と、空気が逆戻りして外に出たのがげっぷです。
いっぽう。空気が胃を通りすぎて、小腸 ⇨ 大腸 と進んだ場合、腸内のガスといっしょに出て、おならとなります。つまり、げっぷもおならも、元々は空気なのです。
コーラなどの炭酸やビールを飲むと、げっぷが出るのはなぜ?
炭酸飲料を飲むと、げっぷが出るメカニズム
コーラやサイダーなどの炭酸飲料には、二酸化炭素が溶けています。二酸化炭素は低温であればあるほど、高圧であればあるほど、溶けやすいという性質があります。
これに対して、胃の内部は外部より圧力が低め。かつ、温度は37℃程度です。
胃の中は、二酸化炭素が溶けやすい性質とはまったく逆の環境なのです。
このため、炭酸飲料に溶けていた二酸化炭素は、胃の内部でいっきに空気に戻ります。すると、胃内部の圧力が高まり、噴門が開いてしまいます。このため、空気が食道から逆流して、げっぷとなるわけです。
ビールを飲むと、げっぷが出るメカニズム
ビールは、大麦麦芽に酵母(こうぼ)を加えて作ります。製造過程をみてみましょう。
① まず、麦芽をこまかく粉砕し、糖分を含んだどろどろのおかゆ状態にします。これを麦汁(ばくじゅう)と呼びます。
② 殺菌のため麦汁を煮沸(しゃふつ)し、苦みと香りを与えるためホップを添加します。
③ 冷却した麦汁にビール酵母を加えます。すると、酵母は麦汁の糖分に反応し、アルコールと炭酸ガスを生みだします。
炭酸ガス=二酸化炭素。
つまり、ビールは製造過程で自然と二酸化炭素を含む飲み物となるのです。げっぷが出るのは、炭酸飲料を飲んだときと同じ仕組み。
ビールの炭酸ガスが胃の中で気体に戻り、外に逃げようとする圧力で噴門を開き、口へと逆戻り。げっぷとなるのです。