下痢の意外な原因?ヨーグルトや納豆が食べると,お腹をくだす?

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特にヘンなものを食べた訳ではない。むしろ、健康に良いものを食べているはずなのに、急な下痢にみまわれてしまう・・・それも、月に3~4回も。

こんな人は、「過敏性腸症候群」かもしれません。これは、腸や大腸の病気ではなく、ある特定の食べ物が原因となってお腹のユルさに繋がってしまう症状のことです。

よくある下痢の原因とは?

飲食物を通して口から入る水、だ液や胃液などの消化液を合わせると、1日に9ℓもの水分が腸を通り過ぎてゆきます。このうち、99%は腸に吸収され、残りの1%が便に含まれることになります。

この水分出し入れのバランスが崩れ、便の水分が多すぎる状態が「下痢」です。タイプ別に3つの原因が考えられます。

1.ぜん動運動性下痢

腸は、筋肉の伸び縮みによって、食べた物を肛門側へ運びます。このぜん動運動が活発すぎると、食べた物は短時間で腸を通過してしまいます。腸での水分吸収が不十分となり、便の水分量が増えてしまいます。

精神的なストレス、乱れた食生活が原因となります。

2.浸透圧性下痢

食べた物の浸透圧(=水分を引き寄せるチカラ)が強いと、腸で水分が吸収されにくくなります。浸透圧が『食べ物>腸の内部』という力関係だと、食べ物は水分が残ったまま腸を通過してしまうのです。

この代表格が、ガムスポーツドリンクなどに含まれる人工甘味料。人工甘味料にはカロリーがほとんどないため、体内で吸収されず、腸に留まってしまいます。すると、腸の内部の水分を引き付けるチカラが狂ってしまい、下痢を起こします。

サプリメントの常用、牛乳に含まれる乳糖なども、似たような原理でお腹をユルくしてしまいます。

3.分泌性下痢

腸は水分を吸収するだけでなく、腸液なども分泌しています。何らかの原因で腸の粘膜から分泌される液体が増えすぎると、下痢になりやすくなります。

ノロウィルスなどの食あたりや食物アレルギーなどによって、腸管内に細菌や毒素が増えると、水分が過剰に分泌されてしまいます。

下痢の意外な原因?ヨーグルトや納豆が食べると,お腹をくだす?

もともとお腹が弱い人の中には、一部の糖類をうまく小腸で吸収できないことがあります。すると、大腸には本来は扱うはずでない成分が届きます。大腸を炎症から守るため水分が分泌され、これが下痢を引き起こします。

オーストラリアの医師・ピーター・ギブソン博士らは、小腸で吸収されにくい糖類を「高FODMAP(フォドマップ)食品」と名付け、それらを避けた食事法を提唱しています。

過敏性腸症候群の人が避けたい食べ物 早見表

この中には、腸が弱くない人にとってはむしろ、腸の働きを整えてくれる食品も含まれています。

小腸が吸収しにくい食品
穀物類 小麦(パン、うどん、パスタ、たこ焼き、お好み焼きなど小麦由来の食品)、ライ麦
野菜類 玉ネギ、青ネギ、ブロッコリー、アスパラガス、ニンニク、マッシュルーム、さつまいも
豆類 大豆、納豆、絹ごし豆腐、小豆
ナッツ類 ピスタチオ、アーモンド
乳製品 牛乳、ヨーグルト、チーズ
果物 リンゴ、桃、梨、マンゴー、すいか
その他 はちみつ、人工甘味料(ガム、ケーキ、キシリトール)

上の表で挙げた食品をすべて摂らなくなると、かえって健康を損なうかもしれません。この中で特に過剰に摂取している食品だけ、2~3週間のあいだ減らしてみて、お腹のようすをみるのが良いでしょう。

下痢の原因が過敏性腸症候群かも? その兆候とは?

過敏性腸症候群

大腸や小腸の病気ではなく、過敏性腸症候群かどうかを測る基準があります。「ローマⅢ」と呼ばれる、国際的な診断基準です。

直近3か月のあいだ、月に3回以上、急なお腹の痛みや不快感が起こった。

下記の3つの項目のうち、2つ以上あてはまる。

排便後には、症状がやわらぐ

症状によって、排便の回数(下痢が出たり、便秘となる頻度も)変わってくる

お腹が痛かったり不快感が続くとき、便の見た目も変わってくる(水のようになったり、固くなったり)

 

わたし自身、月に数回、なんの前触れもなく腹痛に見舞われることがありました。急に便意をもよおし、油汗がにじみ出るほどお腹が苦しくなるのですが、排便すると何事もなかったかのように戻ります。

食生活を見直した結果、パスタなど小麦粉製品を好んで食べていたことに気づきます。また、健康のために雑穀米も食べていました(しかも、3合用の雑穀を2.5合でよく炊いていた!)。これらを数週間ぬいてみると、急な下痢に襲われる回数は減りました。良かれと思って食べいた穀類も、消化を妨げていたことになります。

 

ただし、過敏性腸症候群の症状ではないのに下痢が多い場合は、消化器系の病気である可能性もあります。まずは、病院で大腸内視鏡検査を受け、原因を特定してもらったほうが良いでしょう。

お腹が不調のときの対処法は?

表で示した食品の中には、人間の体にとって必要な栄養素を多く含むものもあります。

たとえば、納豆やヨーグルトは、一般的には腸をよくする食品だと知られてています。また、ブロッコリーはビタミンCの宝庫ですし、リンゴやアーモンドには抗酸化作用があり美肌に役立ってくれます。はちみつは疲労回復効果があり、カゼに対する免疫力も高めてくれます。

まったく摂取しないのではなく、食べ方を工夫することで下痢のリスクを抑えることができます。

1.一度に多く食べない

たとえば、朝食から2~3時間後に、お腹がユルくなりやすい場合。朝食の量そのものを減らしたり、時間をかけて食べるようにすれば、小腸の消化をさまたげずに済みます。

2.キャベツ・大根など、消化を助けてくれる食品と合わせる

キャベツには、荒れた胃腸の粘膜を修復する成分・ビタミンUが含まれています。また、抗酸化作用があり、老化や免疫機能の低下を防いでくれます。

大根には、消化酵素ジアスターゼが含まれ、胃もたれや胸やけを防いでくれます。また、わさびには腸の粘膜からの過剰な水分分泌をおさえる作用があります。

小腸が吸収しにくい食品でも、これらの食材と組み合わせることで、下痢のリスクを減らすことができます。

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