まだ使えそうなのに、捨てるのはもったいない。そういった“もったいない精神”がはたらいて、保存食品や加工食品を捨てられない人がいます。
では、目薬の場合はどうでしょうか? 「未開封」だからと言って 、使用期限が1年前や2年前となっている目薬を使っても大丈夫なのでしょうか?
目薬は腐る? 使用期限切れで、「未開封」の目薬を使っても大丈夫?
目薬の点眼瓶には、「2021.3」のように使用期限が記載されています。ただし、これは目薬を未開封の状態なら、その期限までもつ、という意味です。
では、防腐剤が入っている「未開封」の商品なら、1年前や2年前の使用期限の目薬を使っても大丈夫なのでしょうか?
そんなことはありません。
たとえば、市販の目薬によく配合されている、「塩化ベンザルコニウム」という防腐剤があります。塩化ベンザルコニウムはグラム“陽“性菌や真菌の繁殖を防いではくれますが、グラム“陰”性菌”には有効ではありません。
つまり、防腐剤にも増殖を防げる菌とそうでない菌があるのです。ましてや、
- 防腐剤が入っていない目薬
- コンタクトの上からでも使える目薬
は使用期限が短めですので、期限切れのものは「未開封」であっても使用しない方が望ましいです。
防腐剤が入っているなら、開封後の目薬は「使用期限」まで使える?
では、防腐剤が入っている目薬なら、使用期限ギリギリまで使って大丈夫なのでしょうか?
これもNGです。
たとえば、ペットボトルの賞味期限が、「23.7.31」 のようにだいぶ先の日付けになっていたとします。
しかし、いったん開封して飲みかけのジュースやお茶を、2~3日経ってから飲む人はいないでしょう。いったん口をつけてしまうと、ペットボトルの液体内にある雑菌は、24時間後には1,000倍になると言われています。
目薬も同様です。
このため、防腐剤が入っている目薬で1か月、防腐剤が入っていない目薬なら10日間をめどに捨てたほうがよいでしょう。