運動不足になるとフケが出やすくなる、と言われることがあります。そのいっぽうで、運動をして汗がべっとり出た頭皮をそのままにしておくと、フケの原因となりそう・・・
どちらが正しいのでしょうか?
この記事では、運動不足とフケの関係について、お伝えします。
運動不足が影響するのは、乾性のフケ
「フケ」とは、役割を終えてはがれ落ちる角質細胞のことです。通常は、およそ28日間のサイクルで古い細胞が入れ替わってゆきます。フケ自体は誰にでも起こる現象です。
ところが、なんらかの理由でターンオーバーが乱れてしまったときに、大きめのフケが発生してしまうのです。フケには、大きくわけて2種類あります。
① 白くパラパラと落ちる乾性のフケ
② 黄白色・にごった白色で、ベトつく脂性のフケ
このうち、運動不足が影響するのは、おもに乾性のフケです。
運動不足だとフケが出やすくなる?その理由とは?
頭皮の細胞は、本来ならおよそ4週間かけて入れ替わってゆきます。
頭皮の細胞は4週間かけて成長し、水分をたくわえる力が最高潮になったあと、役割を終えて自然とはがれるサイクル(=ターンオーバー)があります。
しかし、運動することが少ないと、血液が全身に行き渡りにくくなります。すると、頭皮まで栄養が届かなくなり、頭皮のターンオーバーが乱れます。
すると、まだまだ成長中の頭皮細胞に、保湿力が備わらなくなってゆきます。
みなさんは、かわいた大地の表面がヒビ割れて、めくれそうな状態を見たことがないでしょうか?
同じように、頭皮にじゅうぶんな栄養が行き届かないと、未成熟の頭皮細胞が乾燥してめくれ上がり、次から次へとはがれ落ちてゆきます。これが、大量のフケです。
栄養分が髪に行き届かなければ、フケだけでなく抜け毛の原因にもなります。
特に女性のかたは、慢性的に運動不足となりやすいのが実情です。ヨガ、ウォーキングなど、続けやすい運動から取り入れてみましょう。
運動不足だけではない! 乾性のフケの原因は?
ただし、運動不足だけがフケの原因ではありません。
人間のカラダは、皮脂を分泌します。この皮脂は、ほどよい量ならば頭皮を乾燥から守ってくれます。乾性のフケは頭皮の乾燥により、皮脂が不足した状態になると起こりやすくなります。
① 空気が乾燥している
からっとした地域に住んでいれば、じめじめした場所に住むよりも、頭皮は乾燥しやすくなります。また、梅雨どきよりも冬のほうが空気は乾燥しますので、頭皮も影響を受けやすくなります。
② 食生活の乱れ
食生活が偏っていると、皮脂の分泌量が少なくなります。以下の食材を積極的に食べ、頭皮に栄養が行きわたるようにしましょう。特に、細胞の材料となるたんぱく質は欠かせない栄養素です。これが足りないと、新しい肌細胞(=頭皮も含む)が生まれにくくなります。
たんぱく質・・・細胞を作り出す
卵、ぶた肉、いわし、大豆など。
必須脂肪酸・・・肌を乾燥から防ぎ、老化を防止する
青魚、亜麻仁(あまに)油、エゴマ油など。
亜鉛・・・髪や肌の健康を維持する
貝類、レバー、もも肉、大豆など。
ビタミンE・A・・・血行をよくして、抜け毛を防ぐ
にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など。
③ シャンプーの洗浄力が強すぎる
市販のシャンプーの多くは、洗浄力が強すぎます。頭皮に必要な皮脂まで、取り去ってしまうのです。とくに、界面活性剤(かいめんかっせいざい)という成分が、肌のバリア機能を壊してしまうのです。
恐ろしい事に、石油系、アルコール系シャンプーのほとんどに界面活性剤は含まれています。洗浄力の強くないアミノ酸系のシャンプーがおすすめです。
④ 年齢
皮脂の分泌量は、35歳ぐらいから徐々に下がってゆきます。年齢はどうしようもありませんが、他の外的要因に対処することで、乾燥を防ぐことはできます。
- 室内の乾燥を防ぐために、加湿器を使う。または、水でぬらしたタオルをかけておく
- シャンプー前に、保湿効果のあるホホバオイルで頭皮をマッサージする
まとめ
運動不足は、あくまでフケの原因のひとつ。大切なのは、頭皮をなるべく健康な状態にしておくことです。それには、頭皮を乾燥から守ってくれる皮脂を、適量に保つ必要があります。
まずは、食生活の偏りがないか、洗浄力の強すぎるシャンプーを使っていないか、見直すことから始めましょう。