運動不足になるとフケが出やすくなる、と言われることがあります。そのいっぽうで、運動をして汗がべっとり出た頭皮をそのままにしておくと、フケの原因となりそう・・・
どちらが正しいのでしょうか?
この記事では、運動不足とフケの関係について、お伝えします。
運動不足が影響するのは、乾性のフケ
「フケ」とは、役割を終えてはがれ落ちる角質細胞のことです。通常は、およそ28日間のサイクルで古い細胞が入れ替わってゆきます。フケ自体は誰にでも起こる現象です。
ところが、なんらかの理由でターンオーバーが乱れてしまったときに、大きめのフケが発生してしまうのです。フケには、大きくわけて2種類あります。
① 白くパラパラと落ちる乾性のフケ
② 黄白色・にごった白色で、ベトつく脂性のフケ
このうち、運動不足が影響するのは、おもに乾性のフケです。といっても、あくまでも運動不足は原因のひとつにすぎません。
運動不足だけではない! 乾性のフケの原因は?
人間のカラダは、皮脂を分泌します。この皮脂は、ほどよい量ならば頭皮を乾燥から守ってくれます。いわば、肌のバリアーとして機能するのです。
乾性のフケは、頭皮の乾燥により、皮脂が不足した状態になると発生します。
① 空気が乾燥している
からっとした地域に住んでいれば、じめじめした場所に住むよりも、頭皮は乾燥しやすくなります。また、梅雨どきよりも冬のほうが空気は乾燥しますので、頭皮も影響を受けやすくなります。
② 食生活の乱れ
食生活が偏っていると、皮脂の分泌量が少なくなります。以下の食材を積極的に食べ、頭皮に栄養が行きわたるようにしましょう。特に、細胞の材料となるたんぱく質は欠かせない栄養素です。これが足りないと、新しい肌細胞(=頭皮も含む)が生まれにくくなります。
たんぱく質・・・細胞を作り出す
卵、ぶた肉、いわし、大豆など。
必須脂肪酸・・・肌を乾燥から防ぎ、老化を防止する
青魚、亜麻仁(あまに)油、エゴマ油など。
亜鉛・・・髪や肌の健康を維持する
貝類、レバー、もも肉、大豆など。
ビタミンE・A・・・血行をよくして、抜け毛を防ぐ
にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など。

③ シャンプーの洗浄力が強すぎる
市販のシャンプーの多くは、洗浄力が強すぎます。頭皮に必要な皮脂まで、取り去ってしまうのです。とくに、界面活性剤(かいめんかっせいざい)という成分が、肌のバリア機能を壊してしまうのです。
恐ろしい事に、石油系、アルコール系シャンプーのほとんどに界面活性剤は含まれています。洗浄力の強くないアミノ酸系のシャンプーがおすすめです。
④ 年齢
皮脂の分泌量は、35歳ぐらいから徐々に下がってゆきます。年齢はどうしようもありませんが、他の外的要因に対処することで、乾燥を防ぐことはできます。
- 室内の乾燥を防ぐために、加湿器を使う。または、水でぬらしたタオルをかけておく
- シャンプー前に、保湿効果のあるホホバオイルで頭皮をマッサージする

⑤ ストレスや運動不足
日常生活で運動することが少ないと、カラダの様々な機能が衰えてゆきます。カラダの機能が低下すれば血行不良となったり、ターンオーバー(新陳代謝)がうまくゆかなくなったりします。
血行不良になると、栄養分が髪に行き届かなくなり、抜け毛の原因ともなります。また、代謝がよくないと古い皮脂がいつまでも残ることとなり、フケや抜け毛につながるのです。
特に女性のかたは、慢性的に運動不足となりやすいのが実情です。ヨガ、ウォーキングなど、続けやすい運動から取り入れてみましょう。フケだけではなく、他の病気のリスクも下げることになります。
まとめ
運動不足は、あくまでフケの原因のひとつ。大切なのは、頭皮をなるべく健康な状態にしておくことです。それには、頭皮を乾燥から守ってくれる皮脂を、適量に保つ必要があります。
まずは、食生活の偏りがないか、洗浄力の強すぎるシャンプーを使っていないか、見直すことから始めましょう。