肩に白いフケが落ちていると、「不潔!」「髪を洗ってないんじゃない?」と思われがち。しかし、必ずしも不潔だからフケが出る訳ではありません。毎日髪を洗っているのに、フケが出ることもあるのです。
この記事では、フケができるメカニズムを解説し、病気やカビがフケの原因となることもご紹介します。
フケとは新陳代謝ではがれた“角質”である
人間の皮膚にはターンオーバー(=細胞の生まれ変わり)機能が備わっており、通常は約28日周期で生まれ変わります。フケとは、この細胞が入れ替わる過程で、老化した角質がはがれ落ちるものです。
角質がはがれ落ちること自体は、誰にでも起こる現象です。
しかし、何かの原因でターンオーバーがうまくいってないと、角質は目立った大きさの“フケ”となってしまうのです。
フケの種類
フケには、大きくわけて2種類あります。
乾性のフケ・・・シャンプーのしすぎなどが原因
乾性のフケとは、白い粉状で細かく、サラサラとしたフケです。このタイプのフケができる原因には、
- 洗浄成分の強すぎるシャンプーの使用により、頭皮が乾燥している
- アトピー性皮膚炎などのアレルギー
が挙げられます。
頭皮だって肌の一部。肌を乾燥から守ってくれるのが、皮脂です。肌に合わないシャンプーを使っていたり、シャンプーしすぎたりすると、必要なぶんの皮脂まで落としてしまいます。
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脂性のフケ・・・皮脂の異常分泌などが原因
脂性(しせい)のフケとは、ひとつひとつが大きく、ベトベトしたフケ。このタイプのフケができる原因には、
- 皮脂の分泌が多い
- マラセチア菌
が挙げられます。
頭皮と鼻のあたまは、特に皮脂の分泌がさかんな場所。うまく皮脂を洗い流せていないと、ベトベトのフケができやすくなります。
マラセチア菌とは、常在菌のひとつ。この菌は皮脂をエサにしています。マラセチア菌が皮脂を分解するときに、強烈なニオイを発します。
あれ? 皮脂は落とし過ぎても、残し過ぎてもダメ? そうなんです。
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不潔ではない?洗っているのにフケが出るのは,カビが原因の可能性も
フケと似たような症状をもたらす病気もあります。
① 脂漏性皮膚炎
フケがぼろぼろ落ち、かゆみが収まらないときは、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)の疑いがあります。頭皮だけでなく、鼻や耳の後ろなど皮脂が多い場所で起こる病気で、赤い吹き出物ができ、かゆみが持続します。
マラセチア菌が関係していることもあり、治療にはステロイド剤などの塗り薬を用います。生活サイクルの乱れや、食生活の偏り(肉中心、ビタミンB群の不足)などが原因と見られます。
② 乾癬(かんせん)
皮膚から盛り上がった赤い発疹(ほっしん)の上に、銀白色のフケのようなものができ、ぽろぽろとはがれ落ちます。
乾癬(かんせん)がおこった部分では、皮膚が生まれ変わるサイクルが10倍近く早まってしまいます。このため、皮膚があつく積み上がり、 鱗屑(りんせつ)と呼ばれるフケのような状態となってはがれ落ちるのです。
脂漏性皮膚炎や乾癬の疑いがある人は、皮膚科に行かれることをおすすめします。