お酒を飲んだ次の日に、肌荒れに悩まされることはありませんか? 通常、ニキビは脂分や糖分の摂り過ぎによる、皮脂の異常分泌が原因となります。
しかし、アルコール摂取は、これとは異なる作用でお肌に影響します。この記事では、アルコールがニキビを増やすメカニズムについて、お伝えします。
お酒はニキビの原因になる?
お酒には、皮脂を生み出す脂分は使われていません。
どうして、肌荒れにつながるのでしょうか?
お酒の飲み過ぎは、肝臓の機能を低下させる!
アルコールと肝臓の機能低下に、深い関係があることはご存知のかたも多いでしょう。肝臓のはたらきについて解説します。
① 解毒作用
肝臓は、私たちがアルコールや薬などを摂取したときに、有害な物質を毒性の低い物質に変えてくれる役割があります。
② 代謝
私たちが体内に取り入れた食べ物の栄養素は、そのままでは利用できません。食べものを胃や腸で分解し、カラダが利用しやすいエネルギーに変えて、肝臓します。
このとき、栄養素を生命活動に必要な形に変えることを、代謝と呼びます。代謝がスムーズに行われないと、食べ物や飲み物を効率的にエネルギーに変えられません。
たとえば、お肌に良いとされるタンパク質やビタミンCを摂っても、代謝がじゅうぶんになされなければ、エネルギーとして利用できません。
お酒を飲み過ぎると、肝臓は解毒作業でいっぱいとなり、代謝まで手が回らなくなるのです。
③ 脂肪を分解する
肝臓には、脂肪を遊離脂肪酸(ゆうりしぼうさん)とグリセロールに分解し、小腸に吸収しやすくする働きもあります。具体的には、肝臓から分泌される胆汁(たんじゅう)が脂肪を分解し、コレステロールを体外に排出してくれます。
ところが!
アルコールを摂りすぎると、肝臓は解毒作用を優先させるため、脂肪の分解まで手が回らなくなります。すると、肝臓に中性脂肪がたまってしまいます。この結果、体内に中性脂肪が蓄積され、ニキビの原因となる皮脂の分泌量も増加することになります。
アルコールの摂り過ぎ ⇨ 解毒だけで精いっぱい ⇨ 脂肪の分解ができない ⇨ 中性脂肪がたまり、皮脂が増加してしまう ⇨ ニキビの原因となる
ニキビ治療中のアルコールとの付き合い方は?飲酒の後に摂りたい食品とは?
肝臓に働いてもらうためにも、ニキビ治療中はお酒は控えるべきです。とはいっても、ニキビやニキビ跡で悩んでいれば、ストレスもたまります。
たまにはお酒を飲んで、気晴らしをしたいこともあるでしょう。ニキビ治療をしながら、じょうずにアルコールとつき合ってゆきたいものです。
お酒は週に1~2回程度にする
肝臓には、「解毒」・「代謝」・「脂肪の分解」という、大きくわけて3つの働きがあります。
ニキビやニキビ跡を治すためには、タンパク質やビタミンCを多めに食べ、肌の再生を促すことが必要です。
このとき、肝臓が働いてくれないと、これらの栄養素をエネルギーに変えることができません。代謝ができないのです。そこで、お酒を飲むのは週に1・2回程度にして、なるべく肝臓を休ませてあげる必要があります。特に、2日続けて飲酒することは避けたほうが良いでしょう。
【お酒の後に食べたい!】肝機能を高める食べものとは!
肝臓の機能を助けてくれる食材があります。お酒を飲んだ後にこれらの食べ物を摂取すれば、肝臓の負担を減らすことができます。
しじみ・あさり
貝類には、タウリンというアミノ酸の一種が含まれています。血液中の中性脂肪を減らし、肝臓や心臓の機能を強化してくれます。
お味噌
大豆にはコリンという成分が含まれており、アルコールが脂肪となって蓄積することを防いでくれます。昔から、二日酔いにはしじみの味噌汁を飲むと良い、と言われてきました。これは、ただの経験則ではなく、実際に肝臓を助けてくれる効果があったのです。
レバー
レバーには、ナイアシンという、ビタミンB群の一種が含まれています。ナイアシンは、アルコールに含まれる毒性物質、アセトアルデヒドを分解する働きがあります。肝臓の解毒作用を補助してくれるのです。
レバーには、ナイアシンの他にも、B1、B2、B6、B12など、たくさんのビタミンが含まれています。疲労回復や美肌効果も期待できる、優れものです。
ごま
ごまにはセサミンという成分が含まれており、肝臓を保護するはたらきが期待できます。また、最近の研究では、セサミンには、肝臓の活性酸素を取り除く作用があることもわかってきました。
もやし
安くて、手軽に手に入るもやし。栄養価が低いとかん違いされがちですが、実は栄養の宝庫です。
ビタミンB1・B2や、ビタミンC、カリウム・カルシウムなどのミネラルも豊富に含まれています。肝機能を正常化させ、疲労を回復させる効果があります。