【まだ使ってるの?】ピーリングはニキビを悪化させる? ジェルも石鹸も効果なし?

ニキビ(尋常性ざそう)
ニキビ(尋常性ざそう)
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肌の古い角質をはがし、新しい角質を取り戻そうとうする『ピーリング』。

クリニックで行なわれる『ケミカルピーリング』や、自宅でケアできる石けんやジェルによる『マイルドピーリング』に興味を持つ人もいるかもしれません。

しかし、ピーリング(peeling)とは「(表皮を)はがす」行為。気軽にやって大丈夫な行為なのでしょうか?

ピーリングの好転反応なんて嘘?角質を溶かして乾燥するだけ?

ピーリング治療が、“ニキビやニキビ跡に有効だ”と信じる人たちがいます。彼らはこう主張します。

  1. 肌の古い角質層の一番外の部分を溶かす
  2. 肌のターンオーバーを早める
  3. 新しい肌の生まれ変わりを促す

傷つき汚れた外側の肌をはがし、きれいな内側の肌といっこくも早く入れ代わってもらおう、という考えです。ピーリングでお肌に赤みができても“好転反応”だと捉えて、ピーリングジェルや石けんを使い続けます。

しかし、これは間違った考え方です。

年齢とともに周期のおそくなるターンオーバー

お肌の生まれ変わる周期のことを「ターンオーバー」と呼びます。

人間の表皮は、4つの階層から成り立っています。

基底層で生まれた新しい細胞が、表皮の上のほうへ押し上げられてゆき、最後には老廃物(ろうはいぶつ)となって、はがれ落ちるサイクルのことです。

基底層 ⇨ 有棘層(ゆうきょくそう) ⇨ 顆粒層(かりゅうそう) ⇨ 角質層

Basic RGB

ターンオーバーは、加齢とともに周期が遅くなってゆきます。

ターンオーバー=28日は間違い?ニキビ跡と角質ケアのメカニズム
私たちの肌は、決まった周期で新しく入れ代わってゆきます。この、肌細胞の入れ代わる周期のことを“ターンオーバー”と呼びます。 ニキビ跡やシミのケアをするにあたって、ターンオーバーの知識は大切です。ところが、いつの間にか『ターンオーバー=28日...
  • 20代・・・およそ28日周期
  • 30代・・・およそ40日周期
  • 40代・・・およそ55日周期

子供のころは転んですりむいても、すぐにケガが治りましたよね?

でも、年齢とともに傷の治りも遅くなってゆきます。肌細胞の成長に時間がかかるからです。年齢に合わせた周期があるのに、無理やりターンオーバーを早めてしまったら、どうなるでしょう?

デメリットばかり?ピーリングで乾燥がひどくなってしまう!

実は、角質には雑菌からお肌を守り、お肌の水分を維持する役割があります。保湿という大事な働きがあるのです。

はがれ落ちる寸前の角質には、どんな化粧水もかなわないほど保湿作用があるのです。

最強の保湿成分である角質を剥がし、まっさらな肌細胞がむき出しにしたらどうなるか? お肌は乾燥しやすくなり、細菌に弱くなってしまいます

わざわざ自分で肌荒れの原因を作ってるなんて!!

副作用も?ピーリングジェルや石けんの成分の種類と強さ

ここで、ピーリングジェルやピーリング石けんに含まれる、角質を溶かす成分について述べます。化粧水や美容液にこれらの成分が入っていたら、ちょっと注意してください。

AHA系ピーリング(グリコール酸など)

AHAとは、アルファヒドロキシ酸のことです。グリコール酸(サトウキビ)、リンゴ酸、クエン酸(レモン)などがあります。果物由来であることから、フルーツ酸とも呼ばれますね。

AHAのうち、スキンケアで良く使われるのがグリコール酸です。水に溶けやすく、皮膚への浸透性が高いのが特徴で、クリニックのケミカルピーリングでよく使用されます。

しかし強い刺激性があり、ピリピリ感を感じたり、人によっては顔が真っ赤になります。特に乾燥肌の人は要注意!!

サリチル酸系ピーリング

サリチル酸は、ヤナギ由来の成分。炎症を抑える効果があります。脂溶性(水に溶けにくく、油に溶けやすい)で、毛穴の汚れを落としてくれます。

とはいえ、お肌のバリア機能を低下させ、乾燥を招くことは変わりません。市販の商品にもサリチル酸のピーリング石けんはたくさんあります。

しかし、使用頻度を自分でコントロールするのは難しい。

ボブの女性
ボブの女性

角質をはがせば肌がキレイになると思いこみ、ついつい使い過ぎてしまいます

ホントにいらない角質だけを剥がせるならいいのですが、必要な角質まで剥がしてしまう可能性が高すぎるのです。

TGAピーリング(トリクロロ酢酸)

トリクロロ酢酸は、肌の深部にまで働きかける成分で、クリニックではクレーター型のニキビ跡治療に使われます。

副作用は強く、かさぶたとなり、赤みや色素沈着につながる恐れもあります。市販の化粧品で使われることはまれで、おもにクリニックで使われます。

ピーリング成分の強さ

トリクロロ酢酸 > グリコール酸 > サリチル酸、乳酸 > リンゴ酸 > クエン酸

副作用の強すぎるトリクロロ酢酸は、市販のピーリング石けんやジェルにはまず含まれません。多いのは、グリコール酸サリチル酸です。

知ってるつもり?洗顔料や化粧水にも,ピーリング成分は含まれている!

ピーリングの危険性を知っていば、自分で角質を剥がすなんて怖すぎます。

ところが、角質を溶かしてしまうピーリング成分は、「角質除去」をPRしてない洗顔フォームや化粧水に含まれていることもあるのです。これが、案外と盲点!

知らず知らずのうちに、ピーリング化粧品を使っていませんか?

特に、プロアクティブやファーストクラッシュなど、海外から入ってきたニキビ化粧品にはグリコール酸やサリチル酸が含まれています。配合量も多い。

日本人はアメリカ人より真皮が厚く、表皮が薄いのが特徴です。海外の商品の中には、日本人向けのアレンジがなされていないモノがあります。皮膚がうすく、刺激に弱い乾燥肌の人は注意が必要です。

ご自分の使っている洗顔料、化粧水の成分を確認してみて下さい。グリコール酸サリチル酸が含まれていませんか? 「角質を除去する」つもりはないのに、ピーリング成分の含まれた化粧品を長年つかっていたら・・・

お肌を保湿してくれる角質をみずからはぎ取り、バリア機能を弱めていたことになります。

ピーリングジェルの嘘?あんなに角質を剥がしていたら、肌が真っ赤にになる!

自然とはがれ落ちる角質は、0.02㎜以下という薄さです。もちろん目に見えません。でも、ピーリングジェルを使うと、ぼろぼろカスが出てきます。あれはジェルの成分がカスになっているのであって、はがれた角質ではありません。

もし、あんなにぼろぼろ角質を剥がしていたら、大変なことになります。りんごの皮むきのように、皮膚を削っている訳ですから!

市販のピーリングジェルやピーリング石鹸は、クリニックよりは成分が弱めに調整されています。だからといって使い過ぎてしまうと、肌が真っ赤にはれてしまいます。

ピーリングは皮膚科やクリニックなど、専門家の助言のもと行なってください。自宅でジェルや石鹸を使っているとコントロールが難しくなり、逆にニキビを悪化させてしまいます。

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