ダイエットばかりじゃない?糖質制限の危険性とは?ニキビを減らすために行なった行為が逆効果に

糖質制限 ニキビ(尋常性ざそう)
ニキビ(尋常性ざそう)ダイエット
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2019年11月放送の情報番組『あさイチ』で、糖質制限の怖さについて紹介されていました。

わたし自身、糖質をおさえる生活を1年半ちかく続けた結果、明らかなカラダの変調を感じていました。やたら体が疲れやすくなったり、抜け毛が増えたりしていたのです。

この記事では、わたし自身の経験をふまえ、糖質制限が体に及ぼす悪影響とそのメカニズムについてお伝えします。

ニキビにも良い?糖質制限の原理

わたしが糖質制限を始めたのは、ダイエットが理由ではありません。ニキビ跡が原因でした。糖質と脂分がニキビ肌の原因だと知ったわたしは、大幅な糖質カットにふみ切ります。しかし、落とし穴が待っていました。

ニキビに糖質制限が良いとされる理由

ニキビに糖質が良くないというのには、理由があります。

呼吸や運動、思考や自己治癒力など、わたしたちの生命活動は、さまざまな化合物が反応することで成り立っています。この化合物どうしの反応をサポートしてくれるのが、体内酵素です。体内酵素には、消化酵素と代謝酵素の2つがあります。そして、体内に入った糖質は消化酵素によって小さく分解され、脳や体を動かすエネルギー源となります。

  • 消化酵素・・・食べ物を分解して、栄養素を吸収しやすい大きさに変える
  • 代謝酵素・・・分解された栄養素をカラダの各場所をはこぶ。老化を防いだり、免疫力をアップさせる作用も。

このとき糖質をたくさん摂って消化酵素を使い過ぎると、私たちのカラダは代謝酵素の一部を消化に回してしまいます。そうすると、代謝酵素は本来の仕事(免疫力や自己治癒力をたかめる)まで、こなせなくなってしまいます。そこで、糖質を制限して消化酵素に余力を残し、代謝酵素には免疫力アップや血液の浄化といった本来の仕事をしてもらおう、という発想です。

わたしの実践した糖質制限

わたしの実践した糖質制限は、次のようなものです。※太字は、とくに糖質の多い食品。

  • ご飯は、朝・晩の2回。お茶碗に軽く一杯だけ。
  • 仕事の休憩時間に飲んでいた缶コーヒーをやめ、お茶にする。
  • 大好きだったパスタ菓子パンをいっさい食べない。
  • 果物も、ほぼ食べなくなる。

食べなくなったものの代わりに、納豆・豚肉などのタンパク質、野菜を多めに摂るように心がけました。

こういった生活を一年ちかく続けた結果、確かに肌荒れがおさまってきました。ニキビ跡もわずかながら薄まってきています。 しかし、メリットばかりではありませんでした。

糖質制限の弊害

疲労

変調?体が疲れやすくなり、抜け毛も増えた?

もともとやせ型だったわたしの体型。糖質制限を1年以上続けると、みるみる頬がこけてゆきます。決して、食事の量そのものを減らした訳ではないにも関わらず。

さらに、やたら疲労を感じるようになります。また、抜け毛の量がずいぶん増えました。これまで疲労がたまったり、薄毛を気にするようなことは少なかっただけにショックでした。

はじめは年齢のせいかとも思いましたが、もしかして糖質制限の影響ではないか、と疑うようになります。自分でも書籍などでいろいろ調べていた矢先に、『あさイチ』の糖質制限の特集をみて、腑に落ちる部分がありました。

糖質制限がダイエットに効くメカニズム

糖質は、脳や筋肉を動かすエネルギー源となります。

メカニズムは、こうです。体内に取りこまれた糖質は消化・吸収されて、ブドウ糖に分解されます。ブドウ糖は血液を通って全身に運ばれ、エネルギー源として活用されます。

(⇦ 生命活動に必要なエネルギーを生み出す化学反応のことを、代謝と呼びます)

ところが、糖質が足りなくなると、エネルギー源が不足してしまいます。私たちのカラダは、糖質の代わりに体内のたんぱく質や脂肪をエネルギー源にします。糖質制限を続けていくと脂肪や筋肉が減って、そのぶん体重も減ってゆくわけです。

これが、肥満体系の人が糖質制限によりダイエットを実感しやすい原理です。逆に私のような痩せ型の人は、筋肉量が減ることで疲れが出やすくなってしまうのです。

抜け毛の原因は、アミノ酸不足

抜け毛が増えた原因だと考えられるのが、髪のもととなるアミノ酸やたんぱく質の不足です。

たんぱく質には、

  1. 筋肉などからだを作る成分となる
  2. からだを動かすエネルギー源となる
  3. ホルモンや酵素となりからだの機能を調節する

など、多岐の役割があります。

極端な糖質制限をすると、もともとは糖質が行なっていた役割の一部をたんぱく質が担うことになります。すると、筋肉を作ったり髪の成分の元となるアミノ酸が不足して、この部分に栄養が行き渡らなくなってしまいます。このため、抜け毛を引き起こしてしまうのです。

糖質制限で、免疫力を下げてしまう!

糖質制限の副作用として、風邪をひきやすくなってしまいます。メカニズムを説明します。

まず、消化酵素はアミノ酸からできています。アミノ酸はタンパク質を構成する化合物。つまり、

糖質制限 ⇨ 脳や体を動かすエネルギー源が不足 ⇨ タンパク質(アミノ酸の集合体)で代用 ⇨ 消化酵素が不足

このままでは食べ物を分解できなくなるので、代謝酵素の一部を消化に回します。すると、代謝酵素の本来の仕事(新陳代謝を促す、免疫を高める、血液の浄化)がおろそかになってしまいます。

極端に糖質の量を減らすと、意図したものとは逆のメカニズムで免疫力を下げてしまう事になります。消化酵素と代謝酵素がバランスよく機能するためには、ある程度の糖質はどうしても必要なのです。

糖質制限の副作用?長期的に続けることの問題点

糖質を抑えることで筋肉や脂肪が減ってゆくだけなら、肥満体型の人にとって、糖質制限はデメリットの少ないダイエット方法に見えます。しかし、実際はそうではありません。

体を動かすエネルギー源として、糖質の代わりにたんぱく質を使った場合、副産物としてアンモニアが発生します。アンモニアは体にとって有毒なので肝臓で尿素に変えられ、腎臓で尿となって体外へ排出されます。しかし、体内のアンモニア量が多くなりすぎると処理が追いつかなくなり、肝臓や腎臓に負担をかけてしまいます。

またエネルギー源として糖質の代わりに脂肪を使った場合、副産物としてケトン体が発生します。血液中にこのケトン体が蓄積して、ひどい状態になると意識障害を起こすことがあります。

糖質は、体内で速やかにエネルギー源に変わる効率のよい燃料です。これに対してたんぱく質や脂肪は、有毒な副産物を発生させてしまう質の悪い燃料ということになります。

2019年11月放送の『あさイチ』では、アメリカのシモンズ大学で栄養学を教えるテレサ・ファン教授の見解が示されていました。教授たちの研究によると、糖質の摂取量がいちじるしく少ない人は、平均的に摂取している人に比べてがんや心臓病になるリスクが高いことがわかったそうです。

まとめ

・肥満体型の人が短期間に糖質制限を行なうぶんには、筋肉や脂肪の減少により、目に見えたダイエット効果が期待できます。

・普通の体型・やせ型の人が糖質制限を行なうと、疲労を感じやすくなったり抜け毛が増えたり、風邪をひきやすくなってしまいます。

糖質は、体を動かすために必要なエネルギーを生む、優秀な燃料です。不足してしまうと代替燃料としてたんぱく質や脂肪が使われますが、有害な物質も発生させてしまいます。肥満体型の人であっても、長期に渡る糖質制限は病気のリスクを増やしてしまうことになります。

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