CMでもおなじみのニキビ化粧品、「プロアクティブ」。殺菌力が高いのがウリで、お使いのかたも多いのではないでしょうか?
しかし、中学生や高校生が角質を落とすことを目的とした“スクラブ洗顔”を使うことは、あまりおすすめしません。
プロアクティブの洗顔フォーム「スキン スムージング クレンザー」の成分は?サリチル酸のメリットとは?
プロアクティブの洗顔料「スキン スムージング クレンザー」に配合されている、おもな成分と効果です。
成分名 | 効果 | デメリット |
---|---|---|
サリチル酸 | 皮膚の角質をやわらかくする | 肌のバリア機能を弱める |
ユキノシタエキス | 抗菌作用、バリア改善作用 | |
ブドウエキス | 皮膚内のヒアルロン酸・コラーゲンの分解を抑える | |
クワエキス | 紫外線によるシミ・ソバカスを防ぐ | |
オウゴンエキス | 炎症を軽減する | |
リノール酸 | メラニンの生成を抑える | |
ヒアルロン酸ナトリウム | 角質層の水分をキープする | |
濃グリセリン | 肌の水分を保持する | アレルギー反応を示す場合がある |
グリコール酸 | 炎症をおさえ、肌をなめらかにする | 角質をはがし、バリア機能を弱める |
主成分として配合されているのが、サリチル酸です。サリチル酸は肌の角質をやわらかくして、角質硬化による角栓の発生を抑えてくれます。特に、ニキビの初期状態である面皰(めんぽう)をできにくくしてくれます。
また、サリチル酸は殺菌作用が強く、ニキビの原因となるアクネ菌を減らすことも期待されます。
しかし、肌にいるのはアクネ菌だけてはありません。皮膚には常在菌(じょうざいきん)といって、微生物がたくさん住んでいます。常在菌の中には肌トラブルを起こすものから、外界の刺激から守ってくれるものもあります。
皮膚の常在菌は、いろんな菌がバランスよく存在しているから、肌をすこやかに保ってくれます。
【プロアクティブで肌荒れが悪化する?】使いすぎると、皮膚の常在菌のバランスが崩れてしまう可能性も!
サリチル酸は殺菌効果が高いので、プロアクティブの「スキン スムージング クレンザー」を使うと、お肌がつるつるして、さっぱりとします。たまに使うぶんには、ニキビ予防にもなるでしょう。
しかし、使いすぎると皮膚の常在菌のバランスを崩し、皮膚のバリア機能が低下する原因にもなります。
いったん常在菌のバランスが崩れると、アクネ菌以外の菌が悪さして、肌が荒れる可能性もあります。
つまり、プロアクティブは強力なぶん、コントロールが難しいニキビ洗顔料なのです。
ニキビケアによくない? 中高生にスクラブ洗顔をおすすめしない理由とは?
細かい粒子を使って、ふだんの洗顔では落としきれない汚れや角質を取り除く洗顔を、「スクラブ洗顔」と呼びます。
このスクラブ洗顔を、若い頃から毎日やるのは止めましょう。肌を守ってくれる角質をはがし、皮膚の常在菌のバランスを崩し、バリア機能が低下してしまうからです。
なお、プロアクティブの「スキン スムージング クレンザー」には、ユキノシタエキスが配合されています。この成分には、弱まったバリア機能を改善するはたらきがあります。とはいえ、毎日スクラブ洗顔をすれば、角質をはがし過ぎることに変わりありません。
プロアクティブを使うなら、ニキビが本当にひどくなったとき、アクネ菌を弱らせ炎症を抑える目的で使ってください。限定的な使用に留め、プロアクティブに頼り過ぎない使い方がおすすめです。
プロアクティブは2015年に大幅にリニューアルされ、日本人の肌に合わせた仕様に変わっています。ただ、サリチル酸が主成分であることは同じなので、肌への刺激は強めです。
もし、ニキビが顔いっぱいにできて困ったら、まずは皮膚科に行って診てもらってください。現在は、「ディフェリンゲル」など、筆者が若い頃にはなかった有効な薬を処方してもらえます。ちょっとだけ勇気を出して、皮膚科に相談してみてください。