CMでもおなじみのニキビ化粧品、「プロアクティブ」。殺菌力が高いのがウリで、お使いのかたも多いのではないでしょうか?
しかし、中学生や高校生が角質を落とすことを目的とした“スクラブ洗顔”を使うことは、あまりおすすめしません。
プロアクティブの洗顔フォーム「スキン スムージング クレンザー」の成分は?
プロアクティブの洗顔料「スキン スムージング クレンザー」に配合されている、おもな成分と効果です。
成分名 | 効果 | デメリット |
---|---|---|
サリチル酸 | 古い角質を取り除く | 肌のバリア機能を弱める |
ユキノシタエキス | 抗菌作用、バリア改善作用 | |
ブドウエキス | 皮膚内のヒアルロン酸・コラーゲンの分解を抑える | |
クワエキス | 紫外線によるシミ・ソバカスを防ぐ | |
オウゴンエキス | 炎症を軽減する | |
リノール酸 | メラニンの生成を抑える | |
ヒアルロン酸ナトリウム | 角質層の水分をキープする | |
濃グリセリン | 肌の水分を保持する | アレルギー反応を示す場合がある |
グリコール酸 | 炎症をおさえ、肌をなめらかにする | 角質をはがし、バリア機能を弱める |
主成分として配合されているのが、サリチル酸です。サリチル酸は、ピーリングジェルにも含まれる成分で、古い角質を溶かしてやわらかくし、角栓を除去してくれます。
しかし、角質というのは、本来は肌の水分をキープする「保湿機能」とウィルスなど外部刺激からお肌を守る「バリア機能」をもっています。
プロアクティブで肌荒れが悪化する?「古い角質=落とすべき」は間違い! バリア機能を壊している!!
「古い角質ははがしたほうがいい」という、間違った知識が広まっています。しかし、角質はどんな美容成分よりも優秀な「バリア」です。
肌細胞が入れ替わる周期(=ターンオーバー)を見てみましょう。

表皮にある「基底層」では、日々、新しい肌細胞が生まれています。
表皮細胞はおよそ14日かけて角質層のすぐ下までたどり着き、そこで死にます。しかし、皮膚の細胞は死んでからも「角質細胞」となって、お肌の水分をキープするため役立ってくれます。
やがて、さらに上まで押し上げられ、乾燥や外部刺激からお肌を守る“バリア”として働いたあと、角質細胞は自然にはがれてゆきます。はがれ落ちた角質細胞を補充するように、新しい皮膚細胞が基底層から誕生します。このサイクルが、いわゆる「ターンオーバー」です。
みなさんが必死にはがそうとしている古い角質。実は、はがれる落ちる直前こそ、もっとも保湿に役に立っているのです。
では、古い角質をはがし過ぎると、どうなるでしょう?
「バリア機能が」がじゅうぶんに備わっていない“未熟な”角質細胞が、外界にさらされることになります。すると、ちょっとした外部刺激でも肌が荒れ、症状も悪化しやすくなるのです。

ニキビケアによくない? 中高生にスクラブ洗顔をおすすめしない理由とは?

細かい粒子を使って、ふだんの洗顔では落としきれない汚れや角質を取り除く洗顔を、「スクラブ洗顔」と呼びます。
このスクラブ洗顔を、若い頃から毎日やるのは止めましょう。肌を守ってくれる角質をはがしていることになり、お肌のバリア機能を壊してしまうからです。
そもそも、10代の頃にできる「思春期ニキビ」は、、ホルモンバランスの変化が原因。ホルモンバランスは20代になると安定するので、ニキビも自然と減ります。
ところが、中高生の頃からスクラブ洗顔をやり過ぎると、肌のバリア機能を弱体化させます。すると、細菌や紫外線に弱くなり、ちょっとしたこと肌が荒れやすくなるのです。
なお、プロアクティブの「スキン スムージング クレンザー」には、ユキノシタエキスが配合されています。この成分には、弱まったバリア機能を改善するはたらきがあります。とはいえ、毎日このような洗顔料を使えば、角質をはがし過ぎることに変わりありません。
もし、ニキビが顔いっぱいにできて困ったら、まずは皮膚科に行って診てもらってください。現在は、「ディフェリンゲル」など、筆者が若い頃にはなかった有効な薬を処方してもらえます。ちょっとだけ勇気を出して、皮膚科に相談してみてください。
食べ物もものすごく大事です。砂糖やパン食(小麦粉由来)をやめ、できるだけ和食にしましょう。和食のほうが、ビタミン類・食物繊維・水分など、肌に好循環をもたらす栄養をバランスよく摂取できるからです。