ビタミンCは、ストレスを軽減したりアルコールの分解を助けたり、さまざまな働きをしてくれます。なんといっても多くの人がビタミンCに期待するのは、美容効果ではないでしょうか?
しかし、ペットボトルの緑茶やレモン味の清涼飲料水に含まれるビタミンCには、このような健康効果はほとんど期待できません。
ペットボトルの緑茶のビタミンCは、酸化防止剤!
市販されているペットボトルの緑茶の原材料を見てみると、「緑茶 ビタミンC」などと記載されています。
緑茶は、ビタミンCを豊富に含んでいるが・・・
100gあたりのビタミンC含有量が多い食品を、表にまとめました。実際には、茶葉からすべてのビタミンCを抽出できる訳ではありませんが、それでも緑茶には多くのビタミンCが含まれています。
緑茶(せん茶) | 260mg |
焼きのり | 210mg |
赤ピーマン | 170mg |
芽キャベツ | 160mg |
イチゴ | 62mg |
レモン果汁 | 50mg |
じゃがいも | 35mg |
ここで疑問が生じます。もともとビタミンCをたくさん含んでいる緑茶。それなのに、ペットボトルの緑茶は、どうしてビタミンCをつけ足すのでしょうか?
ペットボトルのビタミンCは、味や風味の劣化を防ぐため
メーカー側は、「茶葉に含まれているビタミンCは、加工や抽出する過程で失われてしまうので、それを補うために添加しています」と説明しています。
ところが、実際にペットボトルに含まれているビタミンCは、酸化防止剤。つまり、ビタミンCのもつ抗酸化作用によって、お茶の味や風味が劣化するのを防ぐために入れられているのです。
ペットボトルのビタミンCを摂っても、ニキビや美肌対策にはならない!
ビタミンCには、大きくわけて2つの種類があります。「還元型」ビタミンCと、「酸化型」ビタミンCです。
美肌作用があったり、コラーゲンの生成を促したり・・・一般的に、私たちが健康に良いとイメージするビタミンCは、還元型です。グレープフルーツを食べたり、急須に入れた茶葉から抽出したお茶を飲んだり、直接食品からビタミンCを摂った場合、さまざまな健康効果を期待できます。
これに対して、ペットボトルの緑茶に添加されたビタミンCは、酸化型。栄養を強化するためというより、酸化防止剤として働きます。酸化防止剤とは、みずからが酸化して、製品中のほかの成分の酸化を防ぐもの。
実は、この酸化の過程で、栄養価はすでに失われています。つまり、酸化防止剤に使われるビタミンCは他の成分が酸化するのを防ぐ代わりに、栄養価としてはすっからかんの状態なのです。
本来のビタミンCは水溶性で、安定性が低い成分です。熱に弱く、空気に触れると酸化しやすく、水に溶けやすい特徴があります。料理をされる人は、
「野菜を洗い過ぎたり、熱しすぎると、ビタミンCが失われてしまう」
ということを聞いたことがあるでしょう。
ビタミンCは、すぐに失われてしまうデリケートな成分なのです。美肌効果を期待して緑茶を飲むなら、煎茶の茶葉を急須に入れて、自分でお茶を抽出したほうがはるかに良いのです。
まとめ
「ニキビを治したい!」「肌荒れを防ぎたい!」という理由で、ペットボトル緑茶やレモン・アセロラの清涼飲料水をガブガブ飲んでも、美肌効果はほとんどありません。
美容効果を期待するなら、ビタミンCは急須から入れた緑茶から摂取すべきです。
さも肌に良さそうに「ビタミンCたっぷり!」などと表示している飲料メーカーにも、問題があります。本来なら、「緑茶 酸化防止剤(ビタミンC)」と表記すべきではないでしょうか?