ニキビ跡をセルフケアで治すのは、困難だと言われています。しかし、時間こそかかりますが、赤み・色素沈着などのニキビ跡は、正しい食生活を続けると、改善がみられます。人間のカラダを作っているのは、食べ物だからです。
クレーターを食べ物で改善するのは困難ですが、それでも薄くすることは可能です。
ニキビ跡に効くおすすめの栄養素&食品 早見表
ニキビ跡を目立たなくするため、積極的に摂りたい栄養素と食品をまとめました。
栄養素 | はたらき | おもな食品 |
---|---|---|
たんぱく質 | 筋肉や髪、肌などからだの主成分となり、代謝によって生命活動をコントロールする。 | 肉、魚介類、卵、豆腐・納豆、牛乳・チーズ |
ビタミンB2 | ニキビの原因となる皮脂を分解し、皮膚や粘膜の成長をうながす。 | レバー、うなぎ、モロヘイヤ、まいたけ、卵、納豆、海苔 |
ビタミンC | ニキビの炎症をおさえ、色素沈着を防ぐ。また、コラーゲンの生成を補助する。 | 赤ピーマン・ゴーヤ・ブロッコリー・キャベツ・じゃがいも、キウイ・柿 |
ビタミンA | 肌の生まれ変わりを促進する。皮膚を乾燥から守り、古い角質が表面にたまるのを防ぐ。 | にんじん・かぼちゃ・ほうれん草・小松菜・しゅんぎく、卵黄 |
ビタミンE | 抗酸化作用で、肌の抵抗力を高めてくれる。 | 植物油、アーモンド・ピーナッツ、たらこ、かぼちゃ・アボカド |
リコピン | シミやニキビ跡のもととなる活性酸素を除去する。 | トマト、スイカ、ピンクグレープフルーツ |
イソフラボン | ホルモンバランスを整え、生理前の肌荒れを緩和する。 | 納豆、豆乳、豆腐、油揚げ、きな粉、味噌 |
この中で特に毎日摂りたいのが、新しい肌細胞の元となるたんぱく質です。
それ以外の食品には、一長一短あります。同じものばかり食べるのではなく、さまざまな食材をローテーションで食べましょう。赤み・色素沈着・クレーターなど、すべてのニキビ跡に有効な食事
タンパク質
肌をキレイにするためには、肌を生まれ変わらせる必要があります。そのためには、新しい細胞のもととなる原材料が必要です。それが、タンパク質です。
タンパク質をじゅうぶんに摂取していると、新しい肌細胞が生成されやすくなるのです。
タンパク質はアミノ酸の組み合わせによって、働きが異なります。なかでも、人体が作り出すことのできない9種類のタンパク質を必須アミノ酸と呼びます。
卵
卵には、肌細胞のもとになるタンパク質が含まれています。また、ビタミンCと食物繊維以外のすべての栄養成分を含むことから、“完全栄養食”とも呼ばれます。
デメリットとしてコレステロール量が多いことが挙げられますが、1日1個ならば適量です。
納豆
納豆1パック(=50g)には、一日に必要なビタミンB2の20%が含まれています。
この他、良質のタンパク質、ホルモンバランスの調整に役立つミネラル、腸内環境を整えてくれる食物繊維を含みます。
納豆は、食べる時間帯によっても期待できる効果が変わってきます。夜に食べると、(寝ている間の)成長ホルモンの分泌を助けて、美肌をサポートしてくれます。
ニキビ跡の赤み改善には、ターンオーバーを促す食品
赤みは、肌の表皮にできたニキビ跡です。比較的治りやすく、ターンオーバーがうまく機能すれば、肉眼でわからなくなるほど改善します。
ビタミンB2・・・豚肉
豚肉には、筋肉や血液のもととなる良質のタンパク質が含まれています。また、皮膚や粘膜をすこやかにして、炎症を防いでくれるビタミンB2も豊富です。
DHA・EPA
油というと、吹き出物の原因になりそうなイメージがあるかもしれませんが、油にも“いい油”があります。それが、DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)という不飽和脂肪酸です。
これらは血液をサラサラにし、細胞の生まれ変わりを後押しする働きがあります。特にDHA・EPAが多く含まれているのが、青魚です。
サンマ
サンマには、良質のタンパク質が含まれています。
また、積極的に採りたいDHAやEPAも含まれています。
- 「DHA(ドコサヘキサエン酸)」は、人間の目や網膜、心臓や胎盤の脂質成分。
- 「EPA(エイコサペンタエン酸)」は血液をサラサラにし、悪玉コレステロールを抑えてくれます。
さらに注目したいのが、レチノールです。体内でビタミンAに変換される物質で、皮膚のターンオーバーを活性化させます。しわやたるみを防ぐ効果もあります。
鯖(さば)
サバにも、不飽和脂肪酸であるDHAとEPA が含まれています。
DHAやEPAは血液の流れをスムーズにして、肌のターンオーバーを促進してくれます。ニキビ跡の赤みを薄くするのに、うってつけの食品です。これらは、体内では合成できません。
サバ缶ならスーパーでも変えるし、1個せいぜい100~150円前後。肌に合うかわからない美容液を使い続けるより、よっぽど経済的です。
ニキビ跡の色素沈着に有効な食品
赤ニキビができると、ニキビの炎症をおさえるために活性酸素が作られます。
ところが、メラニンが肌の深部に残ってしまうと、色素が沈着します。
茶色いシミタイプのニキビ跡は、色素沈着のなれの果て。このようなニキビ跡には、メラニンを抑え、美白効果もあるビタミンCが有効です。
ビタミンC
ビタミンCには体のサビを抑えてくれる抗酸化作用があり、コラーゲンの生成をサポートする働きもあります。ただし、ビタミンCにはたくさんの役割があります。
いくら万能なビタミンCでも、仕事が多すぎると処理しきれなくなります。ビタミンCに“美容のために”働いてもらいたかったら、
- 甘いものを摂り過ぎない
- お酒を控える
- タバコを吸わない
を心がけ、少しでもビタミンCの負担を減らさなくてはなりません。
ブロッコリー
ブロッコリーには、たくさんのビタミンCが含まれています。100gで、1日に必要な分のビタミンCを摂取できます。
また、ブロッコリーに含まれるスルフォラファンには、高い抗酸化作用があります。しみや色素沈着の原因となる活性酸素をセーブしてくれるのです。
キャベツ
キャベツは、ビタミンCと食物繊維が豊富です。食物繊維は腸内環境を整え、便通をよくしてくれます。腸のはたらきが良いと、ニキビの原因となる悪玉菌を抑えることができます。
キャベツのビタミンCは、外側の葉や芯に近い部分にたくさん含まれています。
ビタミンA
ビタミンAは、油にとけやすい脂溶性ビタミンのひとつ。皮膚が厚く固くなる現象(=角質化)を和らげてくれます。
かぼちゃ
かぼちゃには、美肌効果を期待できるビタミンC・ビタミンEが含まれています。皮膚や粘膜を強化し、紫外線への抵抗力を高めてくれます。
さらに注目したいのが、β(ベータ)カロテン。これは体内でビタミンAに変換される栄養素で、髪や皮膚、粘膜をすこやかに保ってくれます。
にんじん
人参にもβカロテンが豊富に含まれ、皮膚や粘膜の免疫力を高め、活性酸素の発生を抑えてくれます。
βカロテンは、にんじんの皮にも含まれます。ドレッシングをかけたり、油で炒めることで吸収率を高めることができます。
クレータータイプのニキビ跡にも望みあり!抗酸化作用のある食事
ニキビの炎症との戦いが終わり、損傷が治った部分と治らなかった部分に、凹凸の高低差できる・・・これがクレーターです。こうなると、活性酸素が作られ、肌がサビて弾力を失ってゆきます。
人間の体内には、活性酸素をおさえこむ“体内酵素”があります。しかし、30代、40代となるにつれ、体内酵素も減ってゆきます。使っている化粧水や美容液が変わらないのに、急に肌荒れになるのは、加齢にともなってカラダも変化するからです。
それでも抗酸化作用のある食品を食べることで、肌の見た目をよくしてゆくことはできます。
りんごポリフェノール・・・りんご
りんごには、肌の老化を防ぐポリフェノールがたくさん含まれています。りんごポリフェノールの中でも、特に抗酸化作用の高いのがプロシアニジンという物質。体内の活性酸素を除去して、血液の流れをよくしてくれます。
プロシアニジン はりんごの皮の部分に多いので、洗って丸ごと食べるのがおすすめ。
リコピン・・・トマト
リコピンは赤い色素のことで、体内でビタミンAに変換されます。肌を老化から守り、カサカサ肌を防いでくれます。その抗酸化作用は、ビタミンEの100倍ともいわれます。
関連:トマトジュースはニキビ跡に効く?リコピンの作用とデメリット
イソフラボン・・・豆乳
イソフラボンとは、大豆の芽の部分に含まれる抗酸化物質です。肌の新陳代謝を促し、抗酸化作用でニキビのシミやくすみを予防してくれます。
イソフラボンを多く含むのが、豆乳です。
カテキン・・・緑茶
お茶の葉は、紫外線による酸化から葉っぱを守るために、抗酸化物質「カテキン」を作ります。このカテキンは、人間の体内でも活性酸素を抑えるために働いてくれます。
なお、緑茶にはビタミンCもたくさん含まれています。
関連:緑茶にはニキビ跡やシミを薄くする効果がある?パックにはデメリットも
まとめ
化粧品は人によって合う合わないがあるので、化粧水や美容クリームでニキビ跡の見た目を良くするのは大変です。合うものに出会えればよいけど、そうとも限りません。
これに対して、食事はダイレクトに肌に影響を与えます。肌を作っているのは栄養素だからです。食生活を見直しても、肌への改善が現われるのは2~3か月後とタイムラグはありますが、肌質は変わってゆきます。